超硬チップ（スローアウェイチップ）の買取

スローアウェイチップとは

スローアウェイチップとは、旋盤加工やフライス加工に使用される切削工具の一部で、工具の刃先部分のみを交換できるチップです。主に「インデキサブル工具」として海外で呼ばれるこの形式は、チップが摩耗したり破損した際に刃先を研磨する必要がなく、簡便に交換することで切れ味を再現できます。これにより工具のホルダ部分を共通化し、コストを抑えつつ生産性を向上させることが可能となります。日本では「スローアウェイチップ」として広く使用されており、金属加工業界では主流の工具となっています。

スローアウェイチップの種類

スローアウェイチップには、材質や形状に応じたさまざまな種類があり、それぞれ異なる用途に使用されます。主な種類には以下のものがあります。

材質による種類

スローアウェイチップの材質は、加工対象の材料に応じて選ばれます。代表的な材質には、超硬合金、サーメット、セラミックス、ダイヤモンドなどがあり、特に超硬合金はその「硬さ」と「粘り強さ」から最も多く使用されています。また、各材質は削る材料に応じて、以下のように色分けされ規格化されています。

• 鉄鋼（P/青）
  鉄鋼加工に適したチップ
• ステンレス鋼（M/黄）
  ステンレス鋼加工に適したチップ
• 鋳鉄（K/赤）
  鋳鉄加工に適したチップ
• アルミニウム合金（N/緑）
  アルミニウム加工に適したチップ
• チタン合金（S/茶）
  チタン加工に適したチップ
• 焼入れ鋼（H/灰）
  焼入れ鋼加工に適したチップ

形状による種類

チップの形状は、切削の際の被削材との接触性に影響を与えます。形状が異なることで剛性や切削抵抗も変わり、用途によって選定が必要です。刃先角度が大きいほどチップの剛性が高く、耐久性に優れますが、切削抵抗も大きくなります。

チップブレーカの形状

チップブレーカは、切りくずを細かく分断する役割を果たし、切削中の安全性を高めます。送り速度や切込み深さに応じて最適な形状のブレーカが使用され、これにより切りくずの排出を円滑にすることで、製品の仕上がりを向上させます。

逃げ角による種類

スローアウェイチップには「ネガチップ」と「ポジチップ」の2種類があります。ネガチップは刃先強度が高く、重切削条件にも耐えるため荒加工に適しています。一方、ポジチップは切削抵抗が少なく、ビビリが発生しにくいため、仕上げ加工や内径加工に適しています。

スローアウェイチップの用途

スローアウェイチップは、主に金属の旋削加工やフライス加工に使用されます。チップの材質や形状に応じて以下のような用途があります。

• 荒加工
  ネガチップを使用し、剛性の高い加工が必要な荒削り作業に適しています。
• 仕上げ加工
  ポジチップを使用し、滑らかな表面仕上げが求められる加工に最適です。切削抵抗が小さく、仕上がり精度が高くなります。
• 切りくず処理
  チップブレーカを備えたチップは、切りくずを効率よく処理し、製品の仕上がり精度を向上させます。